お弁当とCoSTEP


北海道大学 CoSTEP
科学技術コミュニケーター養成プログラムに
食という面から、微力ながら携わらせていただいています


先日5月14日は
開講日で特別プログラムがありました

わたしはお弁当をお作りし
一部関係者の方のみへの提供でしたが
授業で今回のお弁当の内容を
少しご紹介してくださることもあるようです



北大の研究している
海で獲れたお魚 サクラマス
今年初めて摘んだ
フキを始めとする山菜

あたたかくなり
やっと出始めてきた
ご近所の露地ものの野菜たち

札幌で育てたお米や
保存食も一緒にお弁当に


千本ネギなどをいれた
お茹でとくだけのお味噌汁
お茶も2種ご用意しました


いつもしていることと変わりませんが
素材や調味料
お弁当箱や箸も
一部をのぞいて
ほぼ北海道のものです


お弁当に限らず当店でのお食事は
何を作るか決めてから素材を選ぶ
のではなく
"今ここにある素材"から作っています

この地にある今を
たのしんでいただけますように

出来上がったばかりの包装紙
(簾舞周辺の古地図が元になっています)
も掛け紙として初お披露目の日となりました

科学 ときくと
難しく捉える方も多いかもしれませんが
科学は身のまわりにあふれていて
さまざまなものと繋がっています


そして 科学技術コミニュケーターは
今起きている地球や社会の課題や問題を
科学技術で解決するための繋ぎ役
だと個人的に捉えました

CoSTEPの在り方、考え方に
とても共感します

CoSTEP のwebページより抜粋
受講生だけでなく
誰もが学べるコンテンツもありますので
気になった方は
ぜひwebページをご覧くださいね


こうして機会をいただき
背筋がのびるのと同時に
改めてわたしも学びや思考を深める
きっかけとなり心からうれしいです

今回の開演特別プログラムの講演は
受講生以外も参加することができました

『ハレとケのコミュニケーション』
講師 土井義晴 氏

お弁当配達のあと
わたしも講演を拝聴させていただきました

和食のお話、茶道や茶事に繋がること
食べること作ることの原点など
とても共感し、学びを深める機会となり
素晴らしいお話ばかりでした


今回の講演は
後日 北海道大学 CoSTEPの YouTubeで
公開されるそうなので
是非ご覧になることをおすすめします

動画以外でも
ご存知の方は多いと思いますが
土井さんのご著書や連載なども
どれもおもしろくておすすめです


いつ行っても植物がうつくしく
高校の時から憧れていた北大で
尊敬している方にお弁当をお届けし
お会いして、お話を聴けたことは
緊張もしましたが
とても とても うれしい時間となりました


とても を2回使うくらい
どうしてこんなにうれしかったというと、、

すこしだけ話が長くなるのですが
この想いを忘れたくないのと
共有したいなと思う土井さんの
素晴らしい言葉があるので
綴りたいと思います




約7年前、体調を崩し心身ともに元気がなく
ふらふらしていた時に
(本は小さい頃からとても好きなので
本屋さんには元気がなくてもよく行っていました)
目にとまった本があり
気になって購入して帰りました


その時に2冊の本を買ったのですが
どちらも今の自分に大きな影響を与えてくれ

大切なことを思い出したり
本に書いてあることを試すことで
心身ともにすこしづつ元気が出て
とても救われました

そのうちの一冊が
土井義晴さんの書かれた本でした
(もう一冊は以前お店でもご紹介したことがある、たなかれいこさんの本です)


当時は土井さんのことは
あまり知らず
今となってはとても知られている
一汁一菜の本も出る前のことでした

この本を通して
料理が好きになった初心や
自分が大切にしたいものを
思い出させていただき
買って読んだ日のことは忘れられません

土井さんは料理研究家ですが
料理以前のあり方や生き方を
お話しされていて、深く共感するとともに
勝手に私の心の中で 師の一人として
いくつものご著書や連載などで
土井さんが紡ぐ言葉からたくさん学び
テレビなどの番組では
学ぶとともに
たくさん笑わせていただきました

そしていつも
励まされる気持ちにもなっていました

今回少しだけお会いできる機会があり
感謝の気持ちを伝えたく
少しだけお時間をいただきました


お礼をお伝えし
お願いさせてもらって
この一冊目が特別でしたので
サインをいただき
恥ずかしながら
一緒に写真を撮っていただきました



緊張とうれしさで
よくわからないことやおかしなことを
口にしていた気がします、、
(とても失礼で恥ずかしく、その後はしばらく穴があったら入りたい気持ちになっていました)

貴重なお時間のなかで
快くおおらかに受けてくださって
すごくうれしかったです
この場でお伝えして通じるか
わかりませんが
土井先生、本当にありがとうございました


まだまだ若輩者で微力ですが
わたしも食を通して文化
いのち を繋いでいけるよう
精進していきたいと思います


2月頃からCoSTEP 朴さんと一緒に
何ができるだろうと思案しながら始まり
今回は最終的にお弁当で
関わるということになりました

朴さんをはじめとする先生方や職員の方
ご縁をくださったみなさまに
心より感謝します

お弁当を作るにあたり
土井さんにもお出しすることになるので
緊張のあまり眠れなくなりそうになりましたが
いつもやっていることをやるだけ
と思い、心を込めて作りました

まだまだ課題や、もっとこうしたかった
ということはもちろん沢山ありますが
今できる中で最善で取り組み
これも一つの経験、学びとして
次へと繋げていきたいです

お弁当を作る前夜、眠る前に
前述した初めて手に取った大切な土井さんの本を久しぶりにひらき冒頭を読んでみました

そこには
自分がいま大切にしていること
お店や食の仕事や活動を通して
お客様からいただいた大切な言葉などに
通じることも書かれてありました

この7年の間
いろいろなことがあったけれど
この大切なことが心の中に深く根付いていて
わたしはこの方向で良かったんだ
と思えるような
なんだかあたたかくて、うれしい
涙がでてきました


長くなってしまいましたが
最後に、その土井さんの本
『おいしいもののまわり』の
 はじめに  から
心にとても響いた言葉を
みなさまと共有させていただき
このとても長くなってしまった文章を
終わりにしたいと思います

読んでいただき
ありがとうございました



2022.05.16
きれいな満月の夜に

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